明治後期、養蚕総二階建古民家の再生

コメント 着工前の様子 解体工事 木工事(1) 木工事(2)・内装
外廻り修景 外部再生 前・後 内部再生 前・後 内部再生 内部再生 部位

雄大な天龍川の流れが造り出した河岸段丘と、彫りの深い伊那山脈に囲まれた南信州は、谷合い毎に風土に培われた独自の文化を継承してきました。山沿いに細い山道が湾曲し、傾斜なりに「農村原風景」が広がるそんな山間地に今回の古民家は存在します。


住居の北面には、削りとられた岩肌がま近に迫りますが、山桜・紅葉等で覆われ紅葉時にはまさしく自然の「色彩劇場」と化し、当主の一番心安らぐ場でもあります。石の入手が困難当地において貴重な採石場であり、建築素材としてふんだんに使われています。
山肌面は貴重な湧水の源でもあり、百年以上に渡り生活用水として使用されてきました。

法面下にある湧水をたたえる「蓮池」

今回外構工事により、当時の池も発掘され先人の自然の恵みを楽しむ「イキ」なライフスタイルが想像できます。
アプローチ面左面の高丘と住居前面には湧水を湛える蓮池があり、前面の蓮池は一反を超える広大なもので、タニシ・どじょう等の水生動植物が生息しまさしく天然の「ビオトープ池」です。

外構工事で発掘された先人の残した「湧水池」

東面と南面に迫る山林もほどよく間伐され、強い日差しと強風を遮り山林を介した自然風が住居の中を通り抜けます。
南面のなだらかな丘稜面は、伊那谷の「お蚕様」を育てる桑畑の跡地がゆったりと広がっています。進入路から玄関迄は徒歩4分程の間合いがあり、西面入りの一日を通して明るい建物の表情をながめながらの、

ゆったとしたアクセス風景です。
風土・自然と生活・住居とのマッチングが実に見事であり、ごく自然体の「住まい」が山深き山間地に存在しています。 北面法面で間近に迫る植生群

「蓮池」越にみる蘇った「再生民家」
土地柄を素直に読みとった先人の知恵、四季の「うつろい」を楽しむライフ・スタイル・・・・・
時代の流れ・文明化の中で多様な人工環境を提供する機器手法が氾濫する中、学ぶべき事の多さに驚きます。 地域に生きる建築士として、あまりにも当たり前な自然と人とのふれあいをもう一度見つめ直し、先人の知恵を引き継ぎ、美しい「四季のうつろい」の中に溶け込む「住まい」を創造していきたいと思っています。

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